ジムニーあるある

お疲れ様です。整備の谷地中です。タイヤ交換シーズンに入り、ドタバタな毎日が続いておりまして…更新をサボってました。スミマセン…
で、今回のネタはジムニー(JB23)です。

 車検整備でのご入庫です。

現車はオーナー様の日常メンテナンスが良い為、大きな不具合はないのですが、エンジンのオイル漏れと前車軸のグリース漏れがあり、今回の車検で整備する事になりました。

 汚れています。

 キテますねー

ジムニーだけの症状では無いのですが、スズキさんのK6エンジンは画像の通り、エンジンのヘッドカバーがオイル漏れで汚れているケースが多いです。現車の総走行距離は16万kmですが、メンテナンスが良いのでこの程度の汚れです。漏れの要因は1つでは無いのですが、現車はPCVバルブ(エンジン内の圧力を調整するバルブ)が詰まり気味でした。でも、オイル汚れの直接の原因ではありません。詰まり気味なので交換はしますが…

 これがPCVバルブ(新品)です。

このバルブが正常に機能しないと、エンジン内の圧力が上昇し過ぎてしまい、エンジン各部のオイルシールからオイルが漏れてしまいます。

現車のオイル汚れは、PCVバルブのオイルシールの劣化、エンジンヘッドカバーのシールの劣化が原因でした。

 カバーの裏側。

 それ程汚れていません。

カバーを洗浄して、復元していきます。 PCVバルブのシールを交換。

カバーはブラストでピカピカにします。

 ブラスト処理後。

 復元中…

現車の作業は車検整備ですので、スパークプラグを点検するのですが、スパークプラグを外すと摩耗していましたので交換します。

 

で、次が今回のお題、“ジムニーあるある”の前車軸グリース漏れの修理です。

ジムニーは世界的に見ても少数派の本格4輪駆動車です。メルセデスのGクラスや、三菱ジープ、トヨタのランドクルーザー(70系 80系)、その他の軍用車両とほぼ同じシャシ構造なんですよ。ですから、軽自動車にしてはオーバースペックとも思える部品が使われています。

前左車軸からのグリース漏れ

赤線で囲んだ部位に付いているシールが劣化してしまっているので交換します。

 分解中…

 完全分解の前に計測作業。

修理箇所は前車軸、駆動だけではなく操舵の機能があります。更に、交換するシールにはステアリング振動を抑える機能もありますので、修理前後の差を確認する為に、バネ秤を使って操舵トルクの計測をしておきます。

 分解完了です。

この後、ドライブシャフトのオイルシールと、グリース漏れの原因だったシールの交換、車軸の上下に付いているキングピンベアリングを交換し、新しいグリースを注入して復元していきます。

 復元完了です。

今回の前車軸のグリース漏れ修理の作業、ジムニーではよくある事で、早めの対応によって大事には至りませんでしたが、大した事は無いと思って放っておくと、異音の発生、ステアリング振動、水の侵入によるドライブシャフトとキングピンベアリングの破損、飛散したグリースによるホイールハウスの汚れ等、様々なトラブルを引き起こします。何事も早めの対応が被害を低減させる為に重要ですね。

 

 

 

 

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