エンジンチェックランプ点灯

お疲れ様です。整備の谷地中です。今回の作業は同業他社様のご依頼で、“エンジンチェックランプが点灯し、P0171の故障コードが入力したのでO2センサーを交換してみたのだが症状が直らない”との事で、車両は三菱デリカD5(CV5W 4B12エンジン)です。

P0171 燃料システム1(リーン)の故障コードが過去値で入力されていました。

P0171のコードは何らかの原因で空燃比が薄い状況になると入力するコードです。このコードが入力する原因は何点かあるのですが、1番多い原因として、吸気系部品の劣化による不要なエアの吸い込みがあります。正常な状態ではエンジンへ入るはずの無い空気が侵入する事によって、空燃比が極端に薄くなり正常なエンジンの回転を維持出来なくなってしまうのです。症状が進むと走行不能に陥る場合もあります。現車の故障コードを確認すると…

修理前後のレポート。修理前のレポートにはP0171が入力しています。

現車の空燃比の制御値を点検すると、全体的にに燃料を多く使って回転を維持しようとしていました。やはり、現車には何か問題が起きている様です。早速、吸気系の漏れ点検をしていきます。

漏れを目視で確認できる“スモークテスター”を使って診断していきます。

エンジンの吸気口からスモークを注入してエンジンの中をスモークで充満させて、漏れ箇所を検索していきます。

スモークを注入してみると…

シリンダーヘッドとインテークマニホールドの間からスモークが出て来ました。
わかりにくいですが、1番、4番からのスモークの勢いが強いです。

この状況からインテークマニホールドとシリンダーヘッドの合わせ面からの不要なエア吸い込みの疑いがありますので、インテークマニホールドを外して点検します。

インテークマニホールドが外れました。

更に、外れたインテークマニホールドのシリンダーヘッド取付面を確認すると…

液体ガスケットが塗ってありました。過去にも何かインテークマニホールドを脱着する作業をしていた様です。

現車のインテークマニホールドは樹脂製で、経年劣化によりシリンダーヘッドとの合わせ面に“反り”が発生し易いです。外したインテークマニホールドを詳しく点検すると、“反り”によって、シリンダーヘッドとの合わせ面の平行度が低下していました。これではガスケット交換では症状を改善出来ないので、インテークマニホールドを交換しました。

シリンダーヘッドの合わせ面を研磨。

新しいインテークマニホールドを取り寄せ、現車へ取付けます。

新しいインテークマニホールドの取付完了です。

この後、不要なエア吸い込みによって狂ってしまった空燃比補正値をリセットした上で入念に試運転を実施。エンジンチェックランプの点灯はなくなり、作業完了しました。

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