HIDバルブの交換
お疲れ様です。整備の谷地中です。
今回はHIDバルブの交換のネタです。LEDヘッドライトが全盛の今では、凄〜くつまらない内容に感じる方もいるかも知れませんが…お付き合い下さい。
患者さんはBMWの7シリーズ、E65系です。
お客様のご依頼はメーターのディスプレイに“左ヘッドライト故障”のメッセージが出て、左のライトが点灯しなくなる、という訴えです。
ヘッドライトのバルブ切れが疑われますが、バルブが原因ではない恐れもありますので、HIDバルブを左右入れ替えしてテスト。
結果はこの様に…
故障が右に移動しました。
と、なるとバルブの故障の疑いが濃厚です。現車のHIDバルブの規格は国産に多いD2SやD2Rではなく、D1Sです。
D1SとD2Rの比較。
D1Sは放電ユニットが一体になっています。バルブと放電ユニットが一体になっている分、部品代金はD2Rより高価になります。が、診断する際は、不調が動作部なのか制御部なのかの切り分けが楽です。
現車は左右入れ替えテストで故障が移動しているので、バルブの不良は間違いありません。
上の画像は制御部に記憶された故障コードです。右のバルブの故障を検知している上に、不調の確認の為、最低3回のHID起動動作をしています。最近のクルマは頭が良いですね〜
で、バルブ交換をしますが…狭いです。
HIDは高電圧で動作していますから、作業時はいつも以上の注意が必要です。HIDの作業時、年間で数件の感電事故が発生していますので…
作業領域が狭いです。
更に…国産車と違う部分も…
バルブ固定用のカラーが付いてます。
カラーは2分割。
新品のバルブにカラーを取り付け、車両に装着。点灯確認テストを行います。
左右共、しっかり点灯します。
この後、念の為にシステムスキャンを行い、故障コードと不調が無い事を確認し納車となりました。
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