エンジンがかかりません

お疲れ様です。整備の谷地中です。

タイヤ交換シーズンを理由に更新をサボっておりました。

スミマセン…

さて、今回の患者さんは三菱アウトランダー(CW5W)です。現車は先月、当社で車検整備をさせていただいた車両で、オーナー様は快調にお使いになっていましたが、先日、突然のエンジンストップ➡︎路上で停止➡︎エンジン始動不能と最悪な状況に陥ってしまいました。

各種機器を接続して診断中…

路上故障ですので急いで積載車で現場に向かい、車両の状態を確認すると、セルモーターは元気に回っているのに、始動する気配がありません。車両のタコメーター(エンジン回転計)も全く動きません。診断機を繋いで車両のエンジンコントロールユニットのエンジン回転数を確認しましたが、“0 rpm”(revolution per minute)のまま…これではエンジンを始動出来ません。この症状はエンジン回転数を計測するセンサーか、それに繋がる配線か、エンジンのコントロールユニットのいずれかの不調が疑われます。車両をお預かりして、早速診断…

自分の経験では、今回の様な症状の場合はエンジン回転数センサーが回転信号をエンジンコントロールユニットへ出力出来なくなってしまい、エンジンが回転を始めた事をコントロールユニットが認識出来ず、燃料ポンプを回せず、エンジンが始動出来ない…という症例が多かったので、“エンジン回転数センサーを交換すれば完治する!”

と、自身を持っていたのですが、自分の予測を裏付ける為にエンジン回転数センサーの出力波形を点検すると…

エンジンコントロールユニットから回転数信号を取出して計測
エンジンが始動出来ないのに、センサーからの信号は出力されていました…

ウソ〜!信号出てんのに、なんでエンジンかからないの〜‼︎ もしかして、“エンジンコントロールユニットに不調が…”と最悪の状況を想像しましたが、落ち着いて波形を点検すると…

赤線と黄線の落差が少し狭い…


赤線と黄線の幅が微妙に低いです。改めてサービスマニュアルを確認すると、エンジン回転数センサーが出力する最低電圧と最高電圧の差が、サービスマニュアルで指示されている値より、若干少ないです。

こんな微妙な差でエンジンがかからなくなるか〜⁉︎と感じながらもエンジン回転数センサーを交換。すると…

スムーズにエンジン始動出来ました!
新旧のエンジン回転数センサー。左が新品。右が旧品。

エンジン回転数センサーの出力電圧の差もサービスマニュアルの指示値に入り、エンストも無くなり、試運転でもエンストは発生せず、完治を確認し納車となりました。

エンジン回転数センサーを交換する前に、新旧のセンサーを比較点検しましたが、不調を発生したセンサーは、新品と比較してセンサーの抵抗値が大幅に少なくなっていました。(一般にいう“ショート”)

ショート状態になっても、ほんの少しだけの“ショート”状態だったので、センサーは信号を出力出来ていた様です。しかし、エンジンコントロールユニットが“エンジン回転が始まった”と判別出来るレベルの信号ではなかった為に、エンジンコントロールユニットは燃料ポンプを駆動せず、エンジンは始動出来なかったと思われます。

何はともあれ、10連休前にお客様の愛車の不調を解決出来て、納車出来た事は良かったです。

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