最近のファンベルト

お疲れ様です。整備の谷地中です。

今回は最近のファンベルトについて書きます。

ファンベルトといえば、オルタネータ(発電機)や、ウォーターポンプを駆動する重要な部品です。ファンベルトは法定点検の項目には必ず点検指示されている部品で、非常にに重要な部品です。

 車両から外したベルトです。

点検の際の交換判断基準は“摺動面の亀裂の有無”が一般的なんですが、近年のファンベルトは“EPDM[エチレンプロピレンゴム]”と呼ばれる、熱に強いゴムを使用している為に、劣化しても亀裂が入り難くベルトの劣化に気付かずベルトの破断に陥る場合があります。

 4万㌔使用ですが、亀裂はありません。

で、劣化が判り難くなっている最近のベルトは専用のゲージを使っての良否判定が必要になります。

 コレを使います。

このゲージ、ベルトのサプライヤーでは超有名メーカーの“バンドー化学”さんから頂いたベルトの摩耗度を判定するゲージです。このゲージをベルトに当てて、ベルトの状態を判定します。

 囲みの部分に注目…

 使用済のベルト…

囲みの部分を比較するとわかるのですが、ゲージから突出している高さが違います。僅かな違いですが、この高さの違いがベルトの磨耗量になります。このゲージからベルトが突出しなくなってしまったら交換時期ですので、交換しました。

ベルトを交換したら、ベルトの張力調整を行うのですが、この張力調整…非常に重要で繊細な作業なんです。張り過ぎるとベルトの劣化が進んだり、補機類のベアリングを破壊したりしますし、緩いとベルトのスリップで劣化が進みベルト鳴きを起こしたり、オルタネーターの発電不足に繋がったり…自動調整のオートテンショナーなら問題無いのですが、現在でも手動調整の車両が多くあります。更に、ベルトの張力調整は作業するメカニックの感覚に頼る部分が多くて、作業を担当するメカニックによって、張力のバラツキが多い作業でもあります。

で、当社ではコレを使ってます。

 “テンションマスター”です。

このツール、加速度センサーを使ってベルトの張力を周波数で示すという、ベルト張力調整に特化したツールです。

使い方は…

この加速度センサーを…

プーリー間のベルトの中間位置に設置。センサーを設置したベルトを軽く弾いて(弦楽器の弦を弾く程度の力で…)張力を測定します。

 電源を入れて…

センサーを取り付けたベルトを指で弾くと…

 振動周波数が表示されます。

表示された周波数を推奨値と照らし合わせます。

 表は新品時の推奨値です。

バンドー化学さんのお話では、使用過程のベルトでの推奨値は新品の推奨値の約80%が良いそうです。

非常に手間の掛かる作業ですが、お客様へご提供する作業品質の向上の為に、三八五整備ではこの様な計測作業も行っております。

 

 

 

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