キーが抜けません…
お疲れ様です。整備の谷地中です。
今回のネタはMINI(R56)の修理です。
現車の入庫理由はオイル交換です。オーナー様がご多忙な方で、当社への持ち込みが出来ない為にお引取りしてオイル交換を行いました。
作業完了後にお客様の自宅へ納車。イグニッションをオフにして、キーを抜こうとした時に事件が発生!
“キーがスロットから抜けない…”
現車はキーが抜けないとアクセサリー電源が入ったままなので、バッテリー上がりを起こしてしまいますし、何よりもドアロックが出来ません。
お客様へ事情をご説明して、会社へ戻って修理を始めます。
スキャンツールで故障の検索を行いましたが、キーに関係するエラーは無く、現車で何が起きているのかわかりません。
ディーラーさんに問い合わせると、“オートマのシフトスイッチのエラーで、車両側でパーキングポジションを認識出来ずにキーが抜けない症例があります。”との事。しかし、現車のメーター内のシフトポジションは“P”。パーキングポジションを認識しています。
“ん〜この車両では何が起きているんだろ…?”
現車の状況から推察して、原因はキースロット内部にあると判断。車両からキースロットを取り外します。
キースロットをインパネから引き出し中…
これがキースロット。引き出し後の画像。
現車のキースロットの作動は、①キーをスロットに入れる。②キーを1回押込む。(この時にアクセサリー電源がON)。③キースロット横のスタートスイッチを押してエンジンスタート。エンジンオフは逆の動作になります。
キースロット単体の状態にして、更に分解。原因はキースロットの1ウェイ機構の潤滑不良でした。潤滑不良によって1ウェイ機構が作動途中で引っかかってしまい、キースロットがイグニッションOFFのポジションまで戻れなくなっていました。
1ウェイ機構部にプラスチック部品を侵さないシリコン系の潤滑剤を塗布し、スムーズな動作を確認。
キースロットの正常作動も確認し、なんとか納車となりました。
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