クラッチの整備

お疲れ様です。整備の谷地中です。今回は少し前の作業ですがクラッチの整備です。車両はトヨタ MR2(SW20 最終V型 3S-GTEエンジン)。

オーナー様は、このMR2が欲しくて、ボディカラー、年式、グレードにこだわって、数年かかってやっと見つけて購入されたそうです。

入庫理由はクラッチ操作時の異音です。点検してみるとクラッチハウジング内から“ギシギシ”と異音が発生していました。クラッチペダルのミート位置もかなり上なのでクラッチのオーバーホールが必要な旨をオーナー様にお伝えし、作業開始です。

ミッドシップの車両なのでエンジンルームは狭いです
リヤのサスペンションフレームとハブを取り外します。
エンジン/ミッションASSYを傾けてミッションを外すとクラッチが現れます。

ここからクラッチを分解していきます。

クラッチディスクとカバーの摩耗はそれほどでもないのですが、フライホイールが摩耗していました。フライホイールは純正ではなく、アフターパーツメーカーの戸田レーシングさん製。過去にもクラッチの作業をしている様です。

異音の原因はクラッチレリーズベアリングのスリーブ部、レリーズレバーのピボット部の潤滑不足でした。

ミッションを降ろしたついでなのでレリーズレバーとピボットボルトは交換します。

クラッチハウジング内を清掃し、レリーズベアリング、レリーズレバー、ピボットボルトを交換。ミッション側の準備は完了です。

ミッション側の取付準備が完了したのでクラッチ本体の作業に戻りますが、純正のフライホイールが生産廃止になっていて入手出来ないので社外品を使って作業を進めます。

オーナー様のご希望でOS技研さんのSTRツインプレートクラッチを取り付けます。
ツインプレートクラッチなのでクラッチディスクは2枚あります。SSTを使って組み付けます。
純正よりクラッチASSYの厚みがあるのでミッションの取付けはいつも以上に慎重に作業します。

ミッションの取り付けは終わりましたが、まだ作業があります。ツインプレートクラッチはクラッチディスクの摩擦材が高負荷対応なのでクラッチミートがシビアになりますし、クラッチカバーの圧着力が高いのでクラッチペダルが重くなります。そこで踏力軽減とクラッチミート時の操作性向上の為に、ルートシックスさんのスーパーレリーズシリンダーを取り付けます。

ホースも新品へ交換。レリーズシリンダーのエア抜きプラグが離れた位置にある、少し変わった形状です。

レリーズシリンダーの組み立ては終わりましたが、またまた作業があります。それはクラッチマスターシリンダーの交換です。

フロントトランクの周辺部品を外します。
泥の様な汚れが堆積していました。
クラッチマスターシリンダーの交換は完了しました。

これで完了ではなく、クラッチASSYが社外品になりクラッチカバーやディスクの動作寸法が変わるので、クラッチマスターシリンダーの調整が必要です。

車内が狭いので、シートを外しての作業です。

クラッチマスターシリンダーの調整も完了したので、サスペンションフレームや足廻りの部品の復元作業に入ります。

復元作業中… リヤスタビライザーが錆によって腐食していました。純正部品は生産廃止なので社外品へ交換しました。
サスペンションフレームが載りました。

この後、ミッションオイルの注入、クラッチマスターシリンダーの微調整と作業部位の最終点検をして試運転。もちろん異音は無くなりましたし、ツインプレートクラッチですが”サクサク”踏めるクラッチが完成。作業完了しました。

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