エンジン不調
お疲れ様です。整備の谷地中です。
今回はシボレーコルベット(モデルコードC4)のエンジン不調の修理について書きます。
コルベットといえば…
アメリカンスポーツカーの代表的なクルマ。現車は’94モデルです。
入庫理由は“朝一のエンジン始動時にアイドリングが不安定になる”との事です。お客様は自分で症状から考えられる不良箇所を調べていた様で、フューエルインジェクター交換のご用命です。
エンジンルームです。
早速、フューエルインジェクターの交換作業に入ります。
エンジンカバーを外して…
ハーネスを外して…
外れました。
現車はV8エンジンなので、インジェクターも8本です。
で、外したインジェクターを調べると不調の原因と思われる箇所が見つかりました。
青丸と赤丸の部分…
青丸のインジェクターは正常。青丸の中は綺麗な状態なのですが、赤丸のインジェクターは僅かにガソリンが漏れているために、赤丸の中にガソリンが溜まっています。正常なインジェクターなら漏れる事は無いので、この僅かな漏れは過濃な混合気が発生してしまい、エンジン始動時の不調の原因になってしまいます。
今回の作業はインジェクターという燃料系の作業ですので、ついでに燃料フィルターも交換します。
作業は下側から…
作業領域は非常に狭いです。
狭い作業領域の中であらゆるツールを駆使しながら、やっとの思いで燃料フィルターが外れました。
どちらもACデルコ製です。
燃料フィルターを組付後に入念に燃料漏れが無い事を確認して、最終確認の為に試運転に出発。
エンジン始動から“調子良くなったな〜”とー思っていたのも束の間、暖機が完了すると、加速時のみミスファイヤが発生し始めました。
エンジンの熱が上がると共に、レーシング(空吹かし)でもミスファイヤが発生する様になり、点火系のテスターで診断したところプラグコードの劣化によるミスファイヤの疑いが濃厚になりました。
お客様の了承を得てプラグコードとスパークプラグの交換を行います。
右バンクの画像…
現車のスパークプラグは真横から取付されています。
更に、作業領域はかなり狭く…
四苦八苦しながらの作業です。現車のスパークプラグは“テーパー”型なので、通常のプラグより指定の締付トルクが弱い設定です。いつもの感覚で締付してしまうとオーバートルクになりますので、トルクレンチできっちり締付けます。
締付け中…
こんな作業を合計8回…更にプラグコード交換…慣れない作業に精神的な疲れを感じながら作業完了!
早速エンジンを始動し、暖機。完調になったアメリカンV8のサウンドは最高でした〜!
お問い合わせ
ご質問などございましたらお気軽にお問い合わせください